自分のペースで学ぼう

インタビュー実施者:きょうこ
インタビュー対象者:日本の移民問題に関するNPOのボランティア

1. 自己紹介をお願いします。

こんにちは、私は20代で日本人、アジア人で女性です。私はポジティブで、ほんとは大丈夫じゃないときでもいつもなんとかなるって言い聞かせてます、はは。そのおかげで負のスパイラルに落ちないでいられてます。あと、とあるNPO法人でボランティアとして活動しています。

2. どういう理由で様々な国に住んでいますか?

特定の建造物をみたかったり、私のお母さんや友達がこの国に行きたいって私に言ってきたり、航空券が安かったりっていう理由でいろんな国に旅行しました。もしかしたら後の質問と被るかもしれないけど、オーストリアのウィーンでほとんどのお父さんたちが子どもたちの面倒をみたり、遊んだりしていてすごく驚きました。子どもを公園に連れて来るお母さんをほとんど見なかったです。私たちが電車に乗るとき、優先席のとこに妊娠している女性、子どもといる女性や高齢の男性のマークがありますよね。オーストリアの優先席にも子どもといる親のロゴが当然あるんですが、子どもといる男性がそこには描かれているんです!この国はこういった小さな部分にも変化を起こし、これが日本と驚くほど違う理由なんだなと思いました。私が今まで行った他の国では一度もこんな風に感じたことはないのですが、こんな国ほんとに実在するんだってすごく驚きました。

3. 日本でジェンダーの問題に関心をもったのはいつですか?なぜ?

正直言うと、ジェンダー問題に興味を持ったのはごく最近です。きょうこがそういった問題に関する意見をシェアしたときに、そんな風に考えたことなかったなって思いました。きょうこに会う以前に、日本のジェンダー問題について深く考えている人に会ったこと一度もなかったです。私は日本にいる一人の女性だけど、そう
いった問題について懸念を感じるような人ではなかったです。それで、ふと、私の無知や無意識の発言や行動でそういった人々を傷つけてきたかもしれないと気づきました。そのおかげで、もっとジェンダーの問題について自分を教育し、考えるようになろうと思いました。実を言うと、ジェンダーに関するニュースを積極的に確認してるわけではないです。でも、Netflixで13の理由というシリーズを見て、アメリカの学校生活、ジェンダーやセクシュアルマイノリティに関しての理解を深められました。あ、あと、自分の中で引っかかっていることがあって、女性専用車両を廃止させることを目的とした運動があったことです。私は、女性専用車両は必要なものだと信じてるけど、どうして彼らはそれを無意味というのかは理解できなかったです。同時に、どうして彼らはそれを必要としている女性の立場に立って考えることができないんだろうと思います。

4. ジェンダーに関することで日本の社会で驚いたことは何ですか?

まただけど、オーストリアの優先席のステッカーが一番驚きました。でも、イギリスでは自分の顔の写真や生物学上の性別について履歴書に書かないということを知りました。それも衝撃的でした。一方で、この問題を提起している人もいるんだろうけど、日本ではそれらはほとんど常に強制です。多分、西洋の国々はそういった面で日本より進んでいて、変化を起こすことに積極的なんだと思います。正直言うと、履歴書に自分の生物学上の性別を書くことにためらいはないけど、顔写真はもしかしたら見た目で決められるんじゃないかと懐疑的です。実際に、就活のアドバイザーにもなんでそんなことしなきゃいけないのかって聞いたことがあります、はは。

5. ジェンダーの不平等に直面した際に、どのように対処していますか?

どうして顔写真を履歴書に貼らなきゃいけないのか大学の就活アドバイザーに聞いたことがあるけど、そのアドバイザーさんからは、「ここは日本だから、うん、いいよ顔写真なしで履歴書出しても、でも面接に進めないだけだよ。」って言われました。あと、「この欄は埋めるためにあるから、とにかく埋めるんだよ」とも言われました。それから、私の悩みが解決したとは思わないけど、しょうがないって思い始めるようになりました。ジェンダーフリー社会を主張する人って日本ではまだマイノリティだと思っていて、そのせいで日本に住みながら常にその理想を守り続けるのは難しいんだと思います。自分のもやもやを何とかする特定の方法を持つというよりは、しょうがないって自分に言い聞かせることで従わなきゃいけないことをただ受け入れています。

–では、全く理不尽に見えるものを受け入れようとしても、それに悩まされませんか?

もしすごくもやもやしてたら、きょうことか友達に「こんなことがあったんだけどどう思う?」と聞きます。今は大学のゼミっていうすごいコミュニティがあるので、文字通りそのゼミ生にアドバイスを求めると思います。

–では、どのような人々に、理不尽な経験などを打ち明けますか?

うーん、それに関しては基準があります。社会問題について知識がある人や教養がある人に話したいです。例えば、きょうこはそういった問題について深く考えているけど、就職して結婚して主婦になるために大学に行く女性もいます。なんか、ちょっと失礼に聞こえるね、はは。後者を選ぶ人に対して何も感じないけど、仮に
私の悩み事を伝えても、そういった人たちから何か新しいことを学ぶことはできないと思います。「そうなんだ、そんなことがあったんだー」みたいな感じで終わる気がします。一方で、積極的に学び続ける人たちからは違う見方を知れたり、私がほんとはどんなことに不快に感じていたかを言語化できると感じます。

6. あなたのどのような側面が男性的、または女性的だと感じますか?

今まで自分のことを一度も男の子っぽいと思ったことはないですけど、大学に入る前に男友達も何人かいて、サバサバしてるよねってよく言われました。振り返ると、そういう性格が男性的なのかもしれないです。サバサバがいったいどういう意味なのか説明するのは難しいけど、とにかくあれしないこれしないって文句を言っ
たり、噂をしたり、他の女性と争ったりというような女性の典型的な嫌なステレオタイプに当てはまらないってことです。それがみんなに私をよりボーイッシュに感じさせるんだと思います。女性らしい一面に関しては、これは女性のステレオタイプの一つなんだけど、年上の女性は子どもや旦那さんのために家事を含めていろんなことをする傾向にあると思うんだけど、私も気にかけてる人には似たようなことをしちゃいます。例えば、兄に対して「これ持った?」とか「あれやった?」って確認したり、具合が悪いときは面倒を見てあげたりしています。これは女性らしい性格の一つである世話好きに当てはまる気がします。

–他に誰かからあなたの性格について言われてそんなことないのにって思ったことありますか?

これは男性らしさでも女性らしさでもないですけど、自分はそんな風に思ってなかったんですが天然だねってよく言われます。私はただ思いついたことを言ったり、行動に移したりしただけなんですけどね。

–天然という言葉をどう思いますか?

その言葉を一度も真に受けたことはないけど、天然を正直な人と解釈してます。人によっては天然って呼ばれるのが嫌いな人もいるだろうけど、私はその言葉を否定的には捉えていなくてむしろ肯定的に捉えてます。これは私の人間性かもしかしたらただの無知かもしれないですけど、はは。

7. あなたにとっての成功の定義とはなんですか?

私の成功の定義…うーん…これはすごく難しい質問です。NPOのボランティアの視点からそのことについて考えてみたけど、何も思いつかなかったです。でも、まあ、NPOのイベントの運営に関わる者として、イベントがうまくいったらいいなと思います。特に、イベント参加者の人たちが日本の難民に関わるシステムについてもっと注意を払うようになったって聞いたときはすごく嬉しかったです。日本の難民問題について関心を持ってもらうだけじゃなくて、他の団体の難民に関するイベントに参加したり、その問題に関する記事を読んだり、日本にいる難民の人たちと連絡を取り合ったりというように、さらに実際に行動に行動に移してもらえたら、私にとってこの上ない喜びでいっぱいです。それがNPOのボランティアとしての成功です。

–あなたのイベント参加者が日本の難民問題という分野で行動に移してたということをどうやって知るんですか?

まあ、普段は二回目のイベントに来てくれた人に会って、話すことで知るかな。私がその人たちに話を聞くと、「実は日本の難民問題に関する他のイベントに参加したよ」とか「ある難民の人は今ある会社で働いていて、うまくやってるらしいよ」って教えてくれます。それか、もしFacebookで私と個人的に繋がってる人だっ
たら、彼らが難民に関するイベントに興味があるってことを知れます。

–あなたのイベントのスライドのスピーカーノートを英語に訳すの手伝ったこと今思い出しました。でも、後日、あなたの担当以外イベントはうまくいかなかったって教えてくれましたよね。参加者の人に難民問題についてもっと関心を持ってもらうことに失敗したって意味で言ってたわけでは無いように感じます。具体的に、何がそのイベントがうまくいかなかったと感じさせたんですか?

そうです、それはイベントの構成に問題があったからです。参加者の皆さんに難民の人たちの強い意志やとても異なる世界観を知ってもらうという私たちの主な目標を達成するのに欠かせない有意義な話し合いを行えていませんでした。そのイベントに関していえば、よくある質問はそれなりに用意してましたが、そこから生産的なディスカッションに繋げるためのさらなる質問を用意していませんでした。つまり、私たちはそのイベントで新たな視点を学ぶという機会を両者にできなかったということで、だからうまくいかなかったってメッセージを送りました。

–ボランティアメンバーとしてどのようにあなたのNPOを改善したいですか?

イベント運営チームだけを見ると、難民のメンバーの人といい関係を築くことが絶対だと思います。普段は彼らが快適に過ごせるようにイベントの企画に参加してもらうようお願いをしています。それでも、一回のイベント5,6グループに十分な難民のメンバーをそろえるのは大変なことです。中には特定のイベントに興味があ
るって言ってくれる人はいるけど、定期的に参加してくれる人はごくわずかです。難民のメンバーに次のイベントを連絡する人はいるけど、彼らは必ずしも難民のメンバーと仲が良いというよりも仕事上の付き合いという感じなので、そういうメッセージは大抵無視されます。実際に、私のNPOのスタッフメンバーは彼らの目的のために難民のメンバーの存在が必要なだけと感じてる人もいます。だから、私たちの難民のメンバーとのコミュニケーション方法をもっと改善したいです。

8. ロールモデルやメンターといった存在がいますか?

私のメンターはNPOのスタッフメンバーです。そのNPOにボランティアとして活動し始めた時、ミーティングにただ参加しているだけで少しも発言できませんでした。なので、何をしたらいいんだろうと悩んでいました。しかし、あるスタッフさんからメールが着て、「NPOで最近どう?」や「最近のミーティングのテーマはあ
なたが来る前にすでに決まってたものだから、話題に着いていくの大変だよね。十分にサポートできてなくてごめんね。」といったことが書かれてました。そして、その人たちが実は私のこと気にかけてくれてたんだということに気づきました。不思議なことに、NPOの活動に関してもやもやしているとそういったようなメールが必ず来ます。

9. 将来どのようなことを計画していますか?

私の将来の計画は私が30代や40代になるまでに社会に貢献するか国際協力に関わる活動に参加することです。私は今のNPOで一生働けるとは思わないですけど、そこの活動は国際協力に近いと思います。今とある会社でフルタイムとして働いていて、そこは社会貢献や国際協力とはかけ離れています。なので、とにかく、最終的
に日本社会や国際社会のためになる何かを見つけたいです。今現在私に一体何ができるのかはわからないですけど、はは。私が常になりたいものはためらわずに社会的弱者の人々に手を差し伸べられる人です。