R.I.P. RBG

ルース・ギンズバーグ判事が亡くなった。

1993年に史上2人目のアメリカの最高裁判事に女性として就任し、フェミニストとしての視点で多くの女性の権利獲得に貢献してきた人物だ。
リベラルでフェミニストのアイコンとしてマグカップやT-シャツが作られるほど、ポップカルチャーにおいても人気を博していた彼女の女性人権運動に対する功績は大きい。

1933年にアメリカで生まれ、ハーバード大学、コロンビア大学のロースクールで優秀な成績をおさめたギンズバーグは、当時はまだ女性の社会進出が難しかった時代にいくつものガラスの天井にぶつかりながらも、コロンビア大学で女性初のテニュアを取得したり、性差別と闘い続ける法律家としていくつのも功績を残している。

1971年にギンズバーグはACLU (American Civil Liberties Union) Women’s Rights Projectを立ち上げ、歴史的な判決をもたらしたReed VS Reedの裁判において、性差に基づく差別は違憲であることを証明したのだ。

当時、アイダホ州では相続の際に、女性よりも男性を優先するという州法が存在していた。Reed VS Reedは、この州法が、憲法14条の性差による差別を禁じるという条項に違反するという論点で戦った裁判だ。最高裁が初めて、性差に基づく差別を違憲とした判例として有名なケースである。

この他にも、オクラホマ州では、21歳未満の男性には「酔わない」3.2%のビールを販売することを禁止する法律を可決したが、18歳以上の女性には購入を認めていた。これが性差に基づいて販売を禁止することが違憲であるという判決に至ったCraig v. Borenのケースでも、ギンズバーグが弁護人にアドバイスをしたり口頭弁論に立ち会うことでサポートしている。

1996年には、ずっと男性のみが入学を許可されていたバージニア州のVirginia Military Institutionにおいて、入学の規定が違憲とする判決も大きなケースの一つだろう。

なによりも、トランプ政権下において、保守化されつつある社会の中でリベラル派としての彼女の存在は大きかったのではないだろうか。
今日は、彼女の功績に思いをはせながら、まだ見れていなかった映画「RBG 最強の85歳」(この日本語のタイトルはどうかと思うが、、、)を見たいと思う。