はじめまして、The F-Word代表の山名奏子です。この団体を立ち上げようと思ったきっかけは、日本で感じる生きづらさへの違和感でした。
2017年にアメリカから5年ぶりに帰国し、日本で暮らす中であまりにも多くの「違和感」や「生きづらさ」を自分自身も含めて感じている人が多いように感じました。
例えば、痴漢が当たり前のことのように扱われていたり、差別的な発言をする上司がなんのお咎めもなく働いていたり、「女らしい」ことが評価されたりすることに多くの人が違和感を感じながらも「自分がちょっと我慢すれば」と諦めてしまうことが日常レベルで起こっていることにやるせなさと怒りを感じました。
「なんで脱毛しないの?」とか「いつもすっぴんだよね」とか「お弁当って家庭的でいいよね」とかいう言葉は受け流したら衝突もなく生きられるのかもしれません。ですが、そういう言葉に違和感を感じたまま受け流していくことは自分にとってのストレスにもなるし、社会にとってもなんの変化も生み出せません。一人一人が「それっておかしいよね」と批判的な視点を提示し、声を上げていくことでしか、自分にとって居心地のいい社会を作ることはできないと感じています。
私は「社会に属すること」=「社会が求める姿で生きること」ではないと考えています。残念ながら今の日本社会は権力者やマジョリティーが得をするようにできています。そのような社会でお行儀よく、いい子でいることが、本当に自分にとって大事なことなのかを一緒に考えていける場所があったら少しは気が楽になると思いませんか?日本社会に所属しながらも、自分らしく自由に生きるために必要なことはなんだろうか。そう考えたときに、ずっと研究してきたジェンダーやフェミニズムの枠組みがどんな人にもマッチするのではないかと感じました。
自分が感じる違和感の正体がなんなのかを、同じような状況にいる仲間と話し合うことで自分だけではなく同じように感じている人がたくさんいることに「気づいて」、個人的な話しがどのように社会とつながっていくのかを解明しながら、自分の言いたいことを「言語化」して、周りに「発信」していくことでちょっとずつ、自分の周りを生きやすく変えていく運動をこのThe F-Wordを通して実現させていきたいと考えています。
女性だからといってみんなが同じ考えで団結できるわけではありません。生まれ育った家庭や、階級、見た目や学歴などによる分断は当然あるでしょう。その差異を無視して一致団結することは新たな抑圧を生むことにもつながりません。私たちが目指すフェミニズムの形は、個人が個人を尊重しあい、お互いの考えをきちんと伝えあえる土壌を作っていくことです。パワーバランスが存在する空間ではなかなか思ったことを言えなかったりしますよね。ちょっと圧の強い上司に本当のことを言えますか?すぐ暴力をふるう夫や彼氏に対等に話ができるでしょうか?The F-Wordのコミュニティではできる限り「パワーバランス」をなくし、相手の学歴や仕事、年収や見た目は一切関係なく、「個人的な話」を共有しながら、社会の枠組みを理解していきます。
批判的な視点をもつことは「相手を批判すること」ではありません。一緒に建設的なゴールを探していける仲間を常に募集しています!少しでも共感できる部分があれば、ぜひブログをのぞいたり、イベントに参加したり、マッチングにトライしてみてください!あなたと同じように生きづらさを感じている人々と繋がれる機会が、いつでも用意されています!