タブー視される生理

生理はタブー視されていると思う。
生理用品は必ず紙の袋に入れられ見えないように包装されるし、トイレに行く際にもポーチに入れて見えないように運ばれる。生理で体調がわるいときも、男性の前で「生理である」ことを伝えるのに躊躇する人は少なくないのではないだろうか。なぜ自分の体の事を「恥ずかしい」と思わなければならないのだろうか?

例えばこれが骨折だったらどうだろうか?取り替えるための包帯を買うときに見えないように包まれるだろうか?松葉杖が見えないように布で包んだりするだろうか?「骨折した」ということを恥ずかしがって言わないことはあるだろうか?

どちらも同じ、体に起こってしまう変化・不調であるにもかかわらず、なぜか「生理」だけがいろいろ「恥ずかしい」「隠さなければ」いけないもののように取り扱われている。

生理用品の選択にしてもそうだ。日本ではナプキンが主流であるため、タンポンや月経カップなどを使うことを「ビッチだ」と発言する男性が未だに存在している。女性の中にも、処女膜が破れるのではないか、と恐れてタンポンを使えない若い女性がいるかもしれない。(ちなみにタンポンや月経カップは処女でも安心して使えるものである)

そもそも、性教育がきっちりとなされていないことがこのような誤解を生む原因の一つだろう。私が小学生だったころはもうだいぶ昔なので、あまり参考にはならないかもしれないが、学校ではタンポンどころかナプキンの使い方さえ教えていなかったと思う。今や、生理に対する対処法は、ピルやミレーネによる月経困難の解消や、経血を吸う下着や膣内に装着するカップなど、さまざまな選択肢があるにもかかわらず、特に若い女性がそのような選択肢に触れる機会は少ないのではないかと思う。

また、男性が生理に対する知識を得る場所が少ないのも原因の一つではないだろうか。血が出ることくらいは知っているだろうが、どれぐらいの血が毎月出ているのか、どのような症状があるのか、ホルモンバランスによる精神面への影響など、詳しく知る機会はあまりないのではないか。私もパートナーに先日、「朝起きてトイレに言ったら下着から血があふれてくる」という話をしたら「そんなに血がでるの?」と驚かれた。全員が全員同じ症状になることはないが、自分のパートナーにこういうことが起こっている可能性がある、という理解があるだけでも、「触れないでおこう」というタブー意識から、「できることがあれば手伝ってあげよう」という意識に変わるのではないだろうか。

とはいえ、やはりタブー視されている世の中で「今生理です!」と声をあげるのは結構恥ずかしい。私は最近は生理用品を買うときに、包まなくていいです、というようにしているが、会社などでトイレに行く際にそのままの生理用品を持ち運ぶ勇気はまだない。

いきなり男性の上司に「今日は生理なので午前中休みます」というのもハードルが高かったりするだろう。
せめて、自分の親しい人には「生理について話す」ことがもう少しだけでもオープンになれば、若い女性たちが多くの選択肢に気づくきっかけになるのではないかと思う。いつか生理に関して話すイベントも企画したいと思いながら綴ってみた。