この度、2020年9月1日に、The F-WordがNPO法人として認可されました!5月末に考えに共感してくれる人たちと総会を実施してから4か月。たくさんの書類とハンコを経て、やっと公式にNPO法人と呼べるようになりました!たくさんのサポートをありがとうございます。
今回は、NPO認定記念としてのイベントの告知ブログです。
どんなイベントかというと、「2か月で洋書を一冊読み切って、多様性とクリティカルシンキングを学ぼう!」という企画です。かなり濃い内容となっていますが、2か月後に感じられる達成感と得られるものは大きいと自信をもってお勧めしたいイベントとなっています。
【ご予約はこちらから↓】
https://thefwordreadingclub.peatix.com/
「本を読む」という行為は「どんな本をどう読むか」がとても重要です。このイベントを通じて、1冊の本と向き合うことで、何が得られるのでしょうか?
① どんな本を読むか?
どんな本を読むか、というのは何を目的にするかによって大きく異なってきます。料理を学びたいならレシピ本、物語を読みたいなら小説、会計知識を得たいならビジネス本など、目的に合わせて本を選びます。今回のイベントでは、視野を広げ、多様性を学び、クリティカルシンキングをトレーニングしていくことを目的に最適な本を選びました。
今回扱っていく本は、トレバー・ノアの自伝「Born a Crime(生まれたことが犯罪)」です。
トレバー・ノアは南アフリカ出身のコメディアンで、現在アメリカの人気番組“The Daily Show”のホストです。風刺のきいたコメントでニュースに切り込むとても面白い番組です。
この本をイベントの題材に選んだ理由は、日本とは全く異なる文化や社会を題材にすることで「他人事」を「自分事」として考える力を養いながら多様性を学ぶことができるからです。
トレバーの故郷である南アフリカが舞台となっている本ですが、彼が生まれ育った当時はまだアパルトヘイト政策がとられていました。アパルトヘイト政策は人種を分けるというジムクロウ法のような悪法でした。つまり、白人と黒人では居住区が分けられ、結婚も許されず、格差があった時代に白人と黒人のミックスとして生まれ育ったトレバーの人生を描いています。白人と黒人の結婚が許されていなかった時代に、ミックスとして育つことは大変な苦労があったでしょうが、彼の自伝は苦労を苦労と捉えさせない軽快なテンポで日々の出来事を面白おかしく描いていきます。
「よその国の大変な出来事」と捉えてしまいそうな事柄が、「思春期の少年の感覚」で描かれることによって、「他人事」を「自分事」に捉えやすい作品になっています。
この、他人事を自分事と捉えること、想像力を働かせることが視野を広げるときにとても大切な要素だと私は考えます。自分の視点でしか物事を捉えられないと、世界は自分の価値以上には広がりません。けれども、他人の視点を想像できることで、世界は何億倍にも広がると思います。
ひどい人種差別や貧困問題を抱えるアフリカのどこかの国を自分事として捉えながら読み進め、議論を深めることで、多くの視点や思考が得られる作品になっていると思います。
② どう読むか?
作品が決まれば、次はどう読むか、です。ここがとても重要なポイントです。
結論から言うと、①「思考しながら読む」、②「思考をまとめる」、③「他の思考を参考にする」ことで、ただ読んで終わりではなく、クリティカルな視点で読んだり、知識を自分のものにしていくことが重要です。
日本の教育ではあまりなされていないですが、アメリカの高等教育ではひたすらクリティカルシンキングを突き詰めていきます。クリティカルシンキングとは、相手を論破したり批判したりするものではなく、思考の枠組みをはずして、「当然そうでしょ」という考え方から「本当にそうなの?」という視点を探っていくことです。
このクリティカルシンキングを鍛えていく過程がこのイベントでは準備されています。
毎回、本のチャプターごとに、その週の考えるポイントを提供します。
そのポイントを頭の隅に置いて読み進めることでただ読み進めるのではなく、「思考しながら読む」ことができます。
さらには、毎週のイベントにおいて、テーマごとに議論をしていくので、自分が思考した内容を人に伝えるためにまとめる必要があります。これは人によっては、書くことでまとまる人もいれば、頭の中で反芻することでまとまる人もいるでしょう。
そして、イベントにおいて自分以外の人の思考に触れることで、思ってもみなかった視点や意見に触れることができます。できれば、そのような他者の意見と自分の意見をすり合わす時間を終わった後にとってみるとより考えが深まると思います。
これらのことを2か月間繰り返していくことで、クリティカルシンキングを習慣化していくことができます。
言い忘れていましたが、このイベントは全編英語の本と英語のディスカッションで行われますので、英語をブラッシュアップしたい人にもおすすめです。
人前で発言するのが苦手な人でも全員が毎回発言できるような工夫もしていきますので、安心してご参加ください!
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