“自分を信じて声を上げろ”

インタビュアー:くぼの きょうこ

インタビュー回答者:山名 景子

  1. 自己紹介をお願いします。(名前、DOB、人種・民族、性別、日本に何年住んでいるかなど)

私はコンサルティング会社で働いています。母、父、姉2人という環境で育ってきたので、性別はそれほど気にしていませんでした。学部時代にアメリカに留学し、オーストラリアで国際関係学の修士号を取得しました。就職活動を始めて気づいたのですが、私の女友達の多くは、昇進の可能性のある正社員の仕事であるフロントよりも、昇進の可能性の低い限られた一般事務の仕事であるバックオフィスの仕事を希望していると言っていました。中には、親から「女性だから」「いずれ誰かと結婚するから、男性のように頑張らなくてもいい」と言われたからと付け加えている人もいました。あるいは、自分の学力や身体能力を考えると、フロントオフィスのポジションには向いていないと感じている人もいました。そういう話によって、この社会の中でのジェンダーギャップに気づき、フロントオフィス的なポジションで働くことを計画することが珍しいことに気づきました。

 

  1. (海外在住経験のある日本国籍の方)インタビュー対象者が住んでいた国に来たきっかけは何ですか?

姉がアメリカに留学していて、姉に会いに行くこともあったので、留学は気になっていたし、身近に感じていました。オーストラリアについては、修士課程で比較人権について学びたいと思っていたので、欧米すぎずアジアすぎず、日本との比較ができる国を探していたのですが、それがオーストラリアでした。また、気候が良いことも、率直に言って選んだ要因の一つです。

 

  1. 日本のジェンダー問題に興味を持ったのはいつ頃ですか?

日本の働き方を知ってからですね。現在の働き方は、1960年代の高度経済成長期に確立されたものです。その間、企業の成長や戦後の日本経済の安定のために時間とエネルギーを犠牲にすることがあまりにも一般的でした。この伝統は今でも根強く残っており、女性が男性と同じ分野で働くことは、その柔軟性のなさから、男性と同じように働くことを阻んでいます。

 

  1. (海外在住経験者)日本社会の中で、ジェンダーの面で一番驚いたこと、驚いたことは何ですか?

繰り返しになりますが、私が最初に入ったコンサルティング会社の働き方です。彼らの主義主張は闘争心と勇気であり、それによって安易に労働者の人権を侵害していました。例えば、新入社員が先輩ほど効率的に仕事ができないのは当たり前なのに、それを利用して命令に従わせる。これが最終的に同調圧力となり、労働者が人権を主張することを妨げ、社会生活を悪化させてしまうのです。一方、オーストラリアの人々は、同調圧力を気にすることなく、自分の権利を主張できていました。

 

  1. ジェンダー不平等に関連した困難や苦しみにはどのように対処していますか?

問題点を洗い出し、適切な言葉を選んで説明するのに時間がかかりますが、私は普段から思いついたことは何でも上司に話しています。実は先日、私の話し方がつぶやきに近いと上司に指摘されました。「もっとはっきりと話さないと、若い女性だからということもあって、お客様に見下されるよ」と言われました。確かにコンサルタントはクライアントとの信頼関係を築くことが大切なのですが、その言葉が何となく心に引っかかってしまいました。そこで、彼と話をする前に、この話を友人に話してみたところ、「若い女性だから」と言われたことに違和感を感じたということがだんだんわかってきました。私は、もうそんな風に新人教育をしてほしくないので、「若い女性はバカにされやすいから言葉遣いや身だしなみに気をつけて」とは言わないで、性別に関係なく、お客様との信頼関係を深めるためにも、ハッキリとした言葉遣いをするように言った方がいいよ、と言った方がいいと伝えました。彼は私の理屈を理解してくれて、謝ってくれました。それ以来、まずは自分の正直な意見を上司に伝えるようにしていますが、私の指摘を理解してもらえなければ、あまり関わらないようにしています(笑)自分の立場になって考えてみない人の気持ちを変えるのは無理ですよね。

 

  1. あなたのどのような面が男らしさに向いていますか?また、あなたのどのような部分が女性的なのでしょうか?

私は、男性的な特徴も女性的な特徴もなく、ただのアイデンティティーだと思っています。そういうカテゴリーは社会が作ったもので、自分のことをそういう風には見ていません。

 

  1. あなたの仕事や勉強における成功の概念は何ですか?

上司の評価を信用していません。彼らは私のことを深く知らず、データで表面的な評価をしていることを知っているからです。結局は自分が人生の主役なので、自己評価を大切にしています。もちろん、私のことをよく知っている友人からの自分へのコメントも嬉しいです。